蒼生人・浅葱と青の肖像Requiem
青の肖像、Requiem。
Requiem、鎮魂曲、それゆえに、青には、死のイメージ、死の意味づけがされてしまった。
甕覗、浅葱、縹色、紺色。勝色も藍による染色らしいけど。
藍色。瓶覗から紺までとか。
縹。浅縹、中縹、次縹、深縹。
『色の名前』(近江源太郎監修 /ネイチャー・プロ編集室構成・文)をパラパラ見てる。
蒼生人、青+生きる人。
浅葱。淡い青。死の青に染まりきっていない色。
死は、いつか、誰もが迎えるもの。
二人の名前は、「死」を意味する青をまとっている。
でも、悲劇、不運、不幸としての「死」ではなく、いつか、誰もが迎える、終着としての「死」。
蒼死人、紺。
あるいは、蒼死人、勝色、だろうか。
それらに未だ至らぬ「青」。
死の象徴のような青から遠い名前を授けられた二人。
肖像画を表紙に持つ最初の長編の単行本「空の色ににている」。
内田善美氏の肖像画シリーズ、PART1と言っても良いのだろうか。
「ゲイルズバーグの春を愛す」。その表紙。
「愛の手紙」の中で長い手紙ではなく、一枚の写真を残したヘレン。その肖像。
内田善美氏の肖像画シリーズPART4。
いや、PART4にするために、他のものが作られたのか。
「愛の手紙」。
最初の隠し抽斗(ひきだし)に入った1通目、二番目の抽斗の2通目、最後の抽斗の写真を3通目として、4通目は墓石、その碑文。
ヘレン・エリザベス・ウォーリー
1861~1934
”永遠の思い出のために”
生涯独身を通したことを、墓石とその碑文で伝えたヘレン。
最初の長編、「空の色ににている」。
二番目の長編「星の時計のLiddell」。
最後の漫画作品、連載ではなかった、「草空間 めらんこりかるshopping」。
1通目、2通目、3通目、と「ゲイルズバーグの春を愛す」で4通目か。
3通目がヘレンの肖像画か。
隠し抽斗の開く順番が違っただけな気がする。
4通目の碑文の短い手紙。
星の時計のLiddell2巻カラーページ
四つめのやつは
たったひと言で終わった
good luck
それは
彼と私の距離の中で
一つの長い物語になった
これも、確信を強めさせられてしまった文章。
書店に行けば、今も見ることが出来る、ヘレンの微笑み。
どれほどの思いを抱えてヘレンがカメラに向かったか。
その思いをどれほどの思いを込めて、内田善美氏は紙に写し取ったか。
星の時計のLiddell3巻74・75ページ。
人間のおもいとは
幻視(ファンタジー)を実存せしめ得るほど
それほど
狂熱的な力(エネルギー)を
もっているものなのか…
幻視を思い描ければ、思いもまた、受け止めれた、ということだろう。
相互依存システムで、GUとONされて、幻視が実存できるのだから。
「愛の手紙」最初の手紙の日付は、1882年5月14日。
星の時計のLiddellの雑誌発表は、1982年6月号から。1ヶ月前の5月に発売になっていただろう。
100年後、だ。
内田善美氏は、どこまで考えていたのか。
寡作であるがゆえに、考えていた気がする。
内田善美氏が断筆だけでなく、出版も拒否して行方不明になったのは、それが内田善美氏に残された最後の抗議、抵抗手段だからかと思う。
何に対する抗議かって・・・それは、また。
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