NOVELA(ノヴェラ)というバンドがあって、その44回転セミ・アルバム(レコードの時代)「青の肖像」に、内田善美氏がジャケットのイラストを書かれていた。
収録曲は、「青の肖像パート1」「青の肖像パート2」「メタマティック・レディ・ダンス」「ナイトメア」(たぶん)の4曲。
で、半年ほど後発売のアルバム「パラダイス・ロスト」に、「青の肖像パート3」が収録されている。
内田善美氏の作品に謎なタイトル、「草迷宮 めらんこりあPART4」というものがある。
「PART4」の「PART」は、青の肖像から来ていたものだったわけだ。
でも、それは、「PART1から3まである、青の肖像のジャケット描いたよ」なんてものの手がかりじゃなかった。
唐突な「PART4」。
PART1からPART3は、どうなっているのだという疑問。
その疑問こそが、内田善美氏が「隠し抽斗(ひきだし)」に用意してくれていた謎々 riddle。

「草迷宮 めらんこりあPART4」が収録された「草迷宮・草空間」を置いて、
星の時計のLiddell 1巻、2巻と重ねて置く。3巻最終巻は・・・左に。
「空の色ににている」の台詞。
わたしたちは
あんなにきれいに
かさなりあえる
冬城さんは
私ひとりだけでなく
君ひとりだけでなく
私たち ふたりを
ここに残していったのだわ
ここにも、「隠し抽斗」。ただし、今度は謎々じゃなく、答えの入ったもの。
内田善美氏は、お別れの言葉をちゃんと告げてくれていた。
星の時計のLiddleの1巻2巻が、続けて出た後、発売予定が大幅に遅れ3巻は1年後となった。
1巻よりも先に、「草迷宮・草空間」は発売されていた。
「青の肖像」という存在を知ると、「隠し抽斗」だと思った。
星の時計のLiddle3巻発売後、1年程後の、ぶ~け11月号表紙を最後に、断筆されたのだと、はっきり知ってからは確信。
※(訂正)最後の作品は昭和64年1月号の2000人プレゼントカレンダー。購入すれば全員が手に出来た作品としてはしては、昭和62年のぶ~け11月号表紙。※
「青の肖像」と呼ばれるレコードのジャケットには、文字はなく、帯の紙にあるだけで、タイトルとしてはRequiemと型押しで記されていたのだから。
画家だったら 描かなければならない
詩人だったら 言葉があふれてしまうだろ
音楽家は 感情の一ひだも 葉っぱの一枚さえも音に変えてしまうんだ
秋に、内田善美氏は、漫画家としてではなく、画家として行ってしまったのだ。
彼岸へ…
こんな風に…
悲しみは
いともさりげなく
私に 準備をうながすのだ
天上の至福にも似た姿をよそおって
天使が降りてきて
ささやく
これは秘密(ないしょ)だけど
これは…
秘密(ないしょ)だけど…
天使の姿。
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